グラインダー作業は、金属加工や研削加工の現場でよく行われる作業です。
しかし、ここで分けて考えたいことがあります。
グラインダーを使える事と、砥石交換・取替え時の試運転を任せてよいことは別です。
外国人作業者を雇用している現場では、日本語の掲示や口頭説明だけで、危険が正しく伝わっているかを確認する必要があります。
この記事で確認すること
全国安全週間の準備期間に向けて、次の5項目を確認します。
1. 特別教育の確認
砥石交換や取替え時の試運転を任せてよい人を確認します。
2. 1分・3分試運転
作業開始前1分、取替え時3分の試運転を理解しているか確認します。
3. 表示確認・外観検査・打音検査
寸法、用途、最高使用周速度、ひび、欠け、異常音を確認します。
4. 保護具・といしカバー・サイドハンドル
保護具の着用、といしカバー、サイドハンドルの使用を確認します。
5. 異常時の報告先
異音、振動、ぶれが出たとき、誰に報告するかを決めます。
グラインダーを使えることと、砥石交換を任せることは別
グラインダーでバリ取りができる。
火花の向きに注意して作業できる。
保護メガネを使っている。
それでも、砥石交換や取替え時の試運転を任せてよいとは限りません。
研削といしの取替え、または取替え時の試運転の業務には、特別教育が関係します。安全衛生特別教育規程では、自由研削用といしの取替えまたは取替え時の試運転に係る特別教育は、学科教育と実技教育により行うものとされています。
社内では、次を分けて管理しましょう。
「グラインダー作業をしてよい人」
「砥石交換をしてよい人」
「取替え時の試運転を確認してよい人」
外国人作業者に伝わりにくい研削といしの危険とは
伝わりにくいのは、日本語の問題だけではありません。
研削といしには、見えにくい危険があります。
「少し音が変」「少し振動する」と感じても、誰に報告すればよいか分からなければ、作業者は迷います。
異常時の報告先を、名前や写真付きで示すことも大切です。
砥石交換・試運転を任せる前に確認したい5項目
1. 特別教育の確認
まず、教育記録を確認します。
誰が、いつ、どの教育を受けたのか。
自由研削用か、機械研削用か。
実技確認は行ったか。
記録だけで終わらせず、社内の作業標準に沿って、実際に説明できるかも見てください。
2. 作業開始前1分・取替え時3分の試運転
労働安全衛生規則では、研削といしについて、その日の作業開始前は1分間以上、研削といしを取り替えたときは3分間以上の試運転が定められています。
「朝は何分ですか」
「交換後は何分ですか」
「試運転中、どこに立ちますか」
ここまで確認します。
3. 表示確認・最高使用周速度・外観検査・打音検査
外観検査や打音検査の前に、砥石の表示も確認します。
・寸法。
・用途。
・最高使用周速度。
・回転方向がある場合の表示。
最高使用周速度とは、その砥石を安全に使える外周の速さの上限です。
労働安全衛生規則でも、研削といしを最高使用周速度を超えて使用してはならないとされています。
外観検査では、ひび、欠け、変形、落下跡を確認します。
打音検査では、音で異常の有無を確認します。
ただし、打音検査だけで安全確認が終わるわけではありません。
表示確認、最高使用周速度、外観検査、打音検査、フランジ、といしカバー、試運転をセットで確認します。
厚生労働省の外国人労働者向け教材の一例である建設業向け「研削といし(ディスクグラインダ)」教材でも、最高使用周速度や寸法が機械に合っていることの確認、作業開始前1分以上・取替え時3分以上の試運転が示されています。
4. 保護具・といしカバー
保護メガネ、防じんマスク、耳栓、作業服などを確認します。
手袋については、作業内容や機械、現場ルールに合わせて確認します。
ディスクグラインダー作業では、軍手など巻き込まれやすいものを避けるなど、現場の安全基準に沿った説明が必要です。厚生労働省のディスクグラインダ教材でも、保護メガネ、防じんマスク、耳栓などの保護具とともに、皮手袋や「軍手は×」という表示例が示されています。
といしカバーは、火花や破片から作業者を守るものです。
「作業しにくいから外す」
「少しだけなら片手でよい」
このような使い方が現場で当たり前になっていないか確認してください。
5. 異常時の報告先
「変な音がしたら止める」だけでは不十分です。
止めたあと、誰に言うのかを決めておきます。
やさしい日本語・母語・ピクトグラムで伝える
安全教育は、日本語だけに頼らない方が伝わりやすくなります。
たとえば、次のように短くします。
「ひびを見る」
「音を聞く」
「カバーを外さない」
「朝は1分」
「交換後は3分」
「変な音は止めて報告」
写真、ピクトグラム、母語の補足、実物確認、実演を組み合わせます。
最後に、本人に説明してもらいます。
「この砥石は使えますか」
「異常音がしたら誰に言いますか」
「試運転は何分ですか」
本人の言葉で説明できれば、理解度を確認しやすくなります。
現場チェックリスト
まとめ
外国人作業者にも伝わるグラインダー安全教育で大切なのは、作業者を責めることではありません。
伝える側が、仕組みを整えることです。
グラインダーを使えることと、砥石交換・取替え時の試運転を任せることは別です。
全国安全週間の準備期間をきっかけに、特別教育、1分・3分試運転、表示確認、外観検査、打音検査、保護具、といしカバー、異常時報告を見直しましょう。
日本語の掲示だけで終わらせず、写真、ピクトグラム、母語、実演、教育記録を組み合わせる。
それが、多様な人材が同じ現場で安全に働くための第一歩です。
Q1. グラインダー作業をしている人なら、砥石交換も任せてよいですか?
同じとは考えない方が安全です。
グラインダーを使えることと、砥石交換・取替え時の試運転を任せることは別です。特別教育、社内ルール、実技確認を見て判断します。
Q2. 日本語が話せる外国人作業者にも、多言語資料は必要ですか?
必ず母語資料が必要とは限りません。
ただし、日常会話ができることと、研削といしの危険や試運転ルールを理解していることは別です。やさしい日本語、写真、ピクトグラム、実演を組み合わせて確認すると安心です。
Q3. 作業開始前1分、取替え時3分の試運転は、誰が確認しますか?
現場ごとに責任者を決める必要があります。
作業者本人だけに任せるのではなく、誰が確認し、異常時に誰へ報告するかを明確にしてください。
Q4. 打音検査ができれば、砥石は安全ですか?
打音検査だけでは不十分です。
表示確認、最高使用周速度、外観検査、フランジ、といしカバー、試運転まで含めて確認します。
Q5. 助成金を使えば、安全教育資料の作成費用を必ず補助してもらえますか?
必ず使えるとは限りません。
対象となる取組、申請時期、提出書類、事業所の条件などによって判断されます。最新情報を確認し、管轄の労働局などに相談してください。

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